インド・コルカタのタイ王国総領事館は25日、西ベンガル州でニパウイルスが流行しているとして、インドに滞在するタイ国民に警戒するよう注意喚起を発令した。タイ国内では、主要3国際空港での検疫・水際対策を強化し、流行地からの旅行者の検査を開始した。
現地報道によると、タイ保健省疾病管理局は25日、ドーンムアン、スワンナプーム、プーケットの各国際空港で実施した検疫の画像を公開。23日にインドで致死性の高いニパウイルスの発生が確認されたことを受け、検疫を強化した。
同局によると、プーケット国際空港では、感染地域からの直行便1便が週5回運航している。旅客ターミナルでは、清掃の強化や、米当局が主導する国際感染対策(IIC)との連携など、公衆衛生対策を追加して実施している。
スワンナプーム国際空港では、コルカタ発の2便(6E1911便・TG314便)に搭乗していた乗客332人を検査。感染が疑われる基準を上回った乗客はいなかった。
厚生労働省検疫所によると、ニパウイルス感染症は、ウイルスに感染したコウモリやブタとの接触、感染したコウモリがかじった果物の摂取などが主な感染経路。まれに、感染者との濃厚接触で感染することもある。潜伏期間は平均4~14日程度。発熱、筋肉痛、嘔吐などの初期症状があり、その後、めまいや眠気、意識障害などの神経症状が現れ、重症化すると急性脳炎に至ることがある。
同検疫所は、汚染された果物を食べたり、生のナツメヤシの樹液やジュースを飲んだりしないよう呼び掛けている。
インド当局は23日、ニパウイルス感染症の症例を5件確認したと報告。西ベンガル州で180人以上の濃厚接触者を隔離・追跡し、監視を強化しているという。
チュラロンコーン大学臨床ウイルス学卓越研究センター長のヨン教授によると、ニパウイルスが初めて確認されたのは1998年~1999年で、マレーシアからシンガポールに感染が拡大。感染者265人のうち108人が死亡した。