日本政府はこのほど、タイ障害者当事者ボランティアサービスセンター向けに、車椅子リフト付き車両1台などを整備するため、203万8500バーツを供与した。
在タイ日本国大使館によると、草の根・人間の安全保障無償資金協力によるもの。車椅子リフト付き車両1台と、車椅子利用者の職員が車両を運転するための手動運転補助装置1台の整備を支援。同装置は、アジアの障害者への普及を目指す今野製作所の製品「SWORD」を採用した。
11月27日、東北部ウボンラーチャターニー県ムアンウボンラーチャターニー郡で引渡式典があり、社会開発・人間安全保障省ウボンラーチャターニー県事務所長のトンチャイ・ムーンパン氏や、同センター代表のチャユット・ソンパウォン氏、在タイ日本国大使館の鈴木昭喜二等書記官ら関係者が出席した。
同県には約6万8000人の障害者が在住。同郡に拠点を構えるタイ障害者当事者ボランティアサービスセンターは、職員の過半数が車椅子を利用する障害当事者で、県内の障害者の自宅を訪問して自立生活スキルトレーニングを提供するなど、障害者の生活や社会参加を支援している。
同センターは、県内でも地方での活動強化を目指しているが、車両を所有していないため、現在は職員個人の荷台付きバイクなどを利用した近隣での活動が中心。今回の支援により、同センターの遠方での活動を促進し、同県の障害者の自立や社会参加支援に寄与するという。