3月28日に発生したミャンマーを震源とするマグニチュード(M)8.2の地震で倒壊した、タイ・バンコクで建設中の国家会計検査院ビル。タイ地震研究センター理事長は「多くの高層ビルが影響を受けた。不名誉なことに、国家会計検査院ビルは、地震で倒壊した世界で最も高い高層ビルだ」と指摘した。
マティチョンの報道によると、同センターのペンヌン・ワーニッチャイ理事長は2日、災害警報システムをテーマとしたセミナーに出席。タイ新聞記者協会のインタビューに応じた。
同理事長は、バンコクは泥炭や微細な粒子を多く含む軟弱地盤のため地震の震度を3~4倍に増幅させる特徴があると話した。先月末のミャンマー大地震では、揺れが1往復するのに長い時間が掛かる長周期地震動がタイに伝わり、低層住宅よりも高層ビルに大きな影響が出た。
日本の気象庁によると、長周期地震動は遠くまで伝わりやすい性質があり、地震が発生した場所から数百キロメートル離れた場所でも大きく長く揺れることがある。特に高層ビルは影響を受けやすい。
同理事長は、タイのほとんどの高層ビルが被害を受け、最も大きな被害はバンコクの国家会計検査院ビルの倒壊だと述べた。海外の専門家の情報によると、倒壊した会計検査院ビルは、地震により倒壊した高層ビルの中で、世界で最も震源地から離れていたという。また地震で倒壊した建物で、世界で最も高いビルだったと語った。
国家会計検査院ビルの倒壊で、多くの建設作業員が死傷した。ミャンマー大地震の震源地マンダレーから、タイのバンコクまでの距離は約1000キロメートル。