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　タイとカンボジアは29日、両国軍の緊張緩和を図るため、東北部ウボンラーチャターニー県チョンボック国境付近の係争地点から、部隊を200メートル後退させることで合意した。両軍は28日朝、同国境付近で短時間の銃撃戦を展開。タイ軍は、カンボジア軍がタイ側に越境して塹壕を掘っていたと主張。双方とも最初の発砲を否定していた。

　マティチョンなどの報道によると、陸軍司令官のパナー将軍らは29日、東北部スリン県カープチューン郡のタイ・カンボジア国境調整事務所で、カンボジア陸軍司令官のマオ将軍ら代表団と会談した。

　非公開で行われた議論は1時間30分続き、2～3週間以内に合同国境委員会（JBC）の会合を開催することで合意。JBCを通じて平和的に交渉し、自制心を持って良好な関係を維持することを確認した。JBCの会合では、当局者が共同で国境線を確定し、地図上の食い違いの解決を目指す。

　一方、タイ側は緊急事態に備え、民間人用の仮設避難所を８カ所設置。付近の学校では避難訓練を実施する。

　またカンボジア・ジャーナリストクラブとタイ・ジャーナリスト協会は、両国の状況に関する偽情報が拡散しているとして懸念を表明。両国間の誤解を悪化させる可能性があると警告している。