28日午前5時45分頃、カンボジアと国境を接するタイ東北部ウボンラーチャターニー県のチョンボック国境付近で、約10分間、タイ軍とカンボジア軍の銃撃戦が発生した。カンボジア国防省は、カンボジア兵1人が死亡したと発表した。
マティチョンなどの現地報道によると、タイ軍当局は、カンボジア軍がタイ側に掘ったとされる塹壕(約650メートル)の画像を公開。カンボジア軍が越境して塹壕を掘るのは2度目で、プームタム国防大臣は、「タイは行動する以外に選択肢は無かった」と述べた。
タイ軍はカンボジア軍に撤退交渉するために近づいたが、カンボジア軍が状況を誤解して武器を使用したため、タイ軍が報復したと主張した。
両軍は電話協議で停戦に合意。だが両国の兵士は現場に残ったままで、にらみ合いが続いているという。タイ軍はカンボジア軍との同時撤退を求めている。
一方、カンボジア国防省は、カンボジア軍が選択した戦闘ではないと声明を発表。再発防止と事態の正常化に向け、タイ国防省と協議するとしたが、領土保全のためにあらゆる必要な手段を使う決意だと述べた。
プームタム国防相によると、銃撃戦が発生した地域はカンボジアとの係争地で、正確な国境線が定まっていない。両国の取り決めでは、パトロール以外の建造物の設置や行動を禁止しているため、カンボジアの行動が取り決め違反に当たるか検討する。