タイから遠く離れたジョージア共和国で、中国系人身売買組織が運営する卵子採取所からタイ人女性3人が救出された。女性らの証言によると、施設にはタイ人女性約100人が救助を待っているという。
タイラットなどの報道によると、タイ外事警察と国際刑事警察機構は、パヴェナ子ども女性財団の要請で救助作戦を実行した。救出された3人は1月30日にタイへ帰国。現在は同財団の保護下にある。
証言によると、卵子採取所では女性から卵子を採取し、体外受精用に第3国へ販売。施設にはタイ人女性約100人が監禁されているという。
施設は中国系人身売買組織が運営。タイ人の協力者も存在するとみられる。
救出された被害者の1人は3日の会見で、きっかけはフェイスブックの求人広告だったと証言。ジョージアで子どもを持てない夫婦の代理母になる仕事で、報酬は40~60万バーツ。代理母はジョージアでは合法だと説明を受けた。雇用主はパスポート申請費用や旅費の支払いも約束したという。
被害者を含むタイ人女性11人は昨年8月30日、ウタパオ国際空港から出国。人身売買組織の幹部とみられるタイ人女性の案内でドバイやアルメニアを経由し、4日目にジョージアへ入国した。
女性11人はホテルに一泊後、パスポートを没収され、4軒からなる邸宅に連れて行かれた。案内された1軒には約60人のタイ人女性が住んでおり、疲れ切った女性や、泣きながらタイへの帰国を訴える女性もいた。翌日には約10人のタイ人女性が住む2軒目の家に移された。家には多くの中国人が出入りしていたという。
邸宅には代理母を求める夫婦は現れなかった。監禁されている女性たちは卵巣を刺激するホルモンを投与され、毎月麻酔をかけられて卵子を採取されていた。帰国を求めると身代金を要求されたという。
事件は昨年9月、身代金7万バーツを支払って解放されたタイ人女性の通報で発覚した。