タイ工業省鉱業経済局(OIE)の発表によると、米国の追加関税の影響で、2025年通年の工業部門成長率を当初予測の1.5~2.5%から0.5~1.5%に引き下げた。通年の製造業生産指数(MPI)は、前回予測の1.5~2.5から0~1%拡大に下方修正した。
クルンテープ・トゥラキットの報道によると、2025年4月の製造業生産指数(MPI、基準年2016年=100)は92.3で、前年同月比2.2%増加した。設備稼働率は56.5。
4月の主なプラス要因は、21カ月ぶりに拡大した自動車産業。2025年モーターショーの予約車両の納車が進み、生産台数は同1.3%増加した。政府の経済刺激策や住宅ローン監督基準の緩和、金融政策委員会の政策金利引き下げなども下支え要因となった。
また、ペットフード生産が17.3%増加。4月は日本から多くの注文があったという。
米国の輸入関税引き上げ90日間延期の影響で、各国の工業部門が対米輸出向けの生産を増強。貿易相手国が生産原材料の輸入を拡大したため、国際貿易は増加した。工業製品の輸出額は同16.6%増。金・武器・戦闘機を除く輸出は同11.5%上昇した。
OIEのパーサゴン局長は、米国の追加関税措置の先行きが不安定で、世界貿易が停滞する可能性もあるため、2025年のMPI予測を引き下げたと述べた。