タイ工業連盟(FTI)の発表によると、2025年5月の産業景況感指数(TISI、100以上で好感)は、前月の89.9から88.1に減少し、7カ月ぶりの低水準となった。カンボジアとの領土紛争や米国関税、北部地域の水害や河川の公害が農業や経済活動に影響し、企業の信頼感は依然として低い状況だ。
カオソッドなどの報道によると、減少は3カ月連続。FTIのナーワー副会長は、「経営者の経済に対する信頼が改善していないことを示している」と述べた。
また、貿易相手国が前期に在庫確保を急いだ反動で、5月は注文控えが発生。特に電子機器やゴム製品を中心に発注が鈍化していると話した。
カンボジアとの国境紛争は、短期的に国境貿易へ影響を与え、輸出業者の収入が低下する可能性があるという。
3カ月後の予想指数は、前月の93.3から91.7に低下。経営者は米国との関税交渉に不安を抱いており、民間投資の決定やタイ産業の長期的競争力に影響する可能性がある。
ナーワー副会長は、インフラ、交通、観光への政府投資1570億バーツが雇用を支え、長期的な経済成長のプラス要因になるとしている。