タイのペートンターン・シナワット首相は19日、カンボジアのフン・セン上院議長との電話音声が流出した問題で、正式に国民に謝罪した。ペートンターン首相は、政府と軍が直面している脅威について協力していると強調した。
カオソッドなどの報道によると、ペートンターン首相は19日、プームタム国防大臣やナッタポン国防副大臣、マーリット外務大臣、陸軍司令官らと1時間以上にわたりタイ・カンボジア国境紛争について会談。同日午後0時15分、ペートンターン首相はプームタム国防相らと会見に臨み、国民に向けて謝罪した。
ペートンターン首相は、フン・セン上院議長との会話音声の流出について、「このような事態はあってはならない」と述べ、国民に不安を与えたことを謝罪。また、音声の中でペートンターン首相が「敵」と呼んでいた軍の第2管区司令官と話をする機会を持ち、ペートンターン首相の発言は交渉術の一環で、衝突を回避することが目的だと説明。軍側は理解を示したという。
ペートンターン首相は「会話が録音され、公開されるとは思わなかった。政府が軍を支持している。タイの主権を守るため、タイ人同士が争う時間は無い。ペームタム国防相らとの会談で、政府と軍は争わないという結論に達した」と涙ぐみながら話した。
一方、タイ外務省は会話音声の流出を受け、在タイ・カンボジア大使を召還して正式に抗議した。同省は、カンボジアの行為が国際的に容認できない規則・エチケット違反だとし、2国間の信頼を損なうと避難している。