タイの知的財産局(DIP)は、外国企業によるタイ・ブランドの商標登録を防ぐ取り組みを強化している。最近では、人気カバ「ムーデン」とタイハーブ吸入剤「ホンタイ」が、中国とベトナムに商標登録されそうになり、同局が異議申し立てしたという。
プラチャーチャート・トゥラキットの報道によると、同局は外国でタイの商標を登録しようと試みる外国人を監視し、異議申し立てする「商標モニター」事業を2025年3月から実施。貿易相手国のASEAN諸国や中国で、広告の検査を試験的に開始した。タイの企業100社が参加している。
同局のオーラモン・スパウィータム局長は11日、タイの事業者が外国において、表彰の不正使用による深刻な知的財産権侵害に直面しており、輸出の大きな障害になっていると指摘。ブランド所有者が外国で商標を使用できないばかりか、本物の製品のイメージを損なう可能性があると訴えた。
同局は、タイ企業の商標と同一か、類似の商標が外国で登録されていると判明した場合、商標権者に対し、法的期限内に異議申し立てを検討するよう通知。同局の法律専門家は、各国の異議申し立て手続きに関する助言を提供する。
3月から9月の活動で、同局は複数の不正商標登録の阻止に成功。オーラモン氏によると、中国では「ムーデン」やタイ大手石油化学会社の「IRPC」、中国とベトナムでは「ホンタイ」の商標を発見。
中国での「ムーデン」商標に異議申し立てをしなかった場合、中国市場におけるビジネスチャンスの損失は推定3億バーツ以上だという。
同局は、2026年度も事業を継続し、ASEANや中国向けの輸出を計画しているタイの商標所有者に参加を呼び掛ける予定。