農林水産省は20日、日本のGI(地理的表示)産品である鹿児島県の「鹿児島黒牛」と、兵庫県の「但馬牛」が、タイでGIに登録されたと発表した。また併せて、タイの「ドイトン・コーヒー」と「ドイチャン・コーヒー」の2品を日本のGIに登録した。
農水省はこれまで、タイとGI産品を相互に申請し、保護する試⾏的事業を実施してきた。2021年4月には、山形県の「東根さくらんぼ」がタイでGI登録されている。GI登録により、タイで両産品の模倣品を⾏政上で取り締まることができるほか、産品と無関係の第三者が、日本の地名などを冠した商標を登録することを防ぐことができる。
農水省によると、海外では、⾷品や農産物に日本の地名を冠した模倣品の商標登録が多数確認されている。第三者による商標登録で、日本の生産者の輸出が困難になったり、高額で権利の購入を強いられたりする被害が発生しているという。
GIは、地域ならではの自然的、人文的、社会的な要因の中で育まれてきた品質や社会的評価などの特性を持つ産品の名称を、地域の知的財産として保護する制度。GI産品に登録されると、生産者や販売業者はGIマークを使用できる。模倣品を排除することにより、ブランドの価値を保護することができる。