タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相兼内務大臣は、11日15時50分、カンボジアと国境を接する東北部シーサケート県カンタララック郡を訪問し、クアラルンプール和平宣言に違反してカンボジアが地雷を敷設したとし、同宣言を破棄すると発表した。
カオソッドなどの報道によると、アヌティン首相は、先月26日にドナルド・トランプ米大統領の立ち会いのもと、カンボジアのフン・マネ首相と共同で署名したクアラルンプール和平宣言について、宣言に基づく義務の遵守を停止したと述べた。今後、タイは国益を守るため、他国と協議したり承認を求めたりせず、適切に行動するとしている。
共同宣言では、国境地帯の両軍の武装解除や、地雷除去、国境を越えた詐欺犯罪の抑止、国境線の解決の4項目を遵守するとしていた。
アヌティン首相は軍服を着用し、プーマクア山の頂上にある前線基地を警備するタイ軍を視察。その後、10日に同郡のカンボジア国境で地雷により負傷した兵士4人を慰問した。
また、トランプ大統領へ報告するかと記者団に問われ、「タイは主権国家であり、報告義務は無い。質問されたら返答する」と答えた。