タイ陸軍は10日、東北部シーサケート県カンタララック郡のカンボジア国境で兵士が地雷により負傷した事件で、カンボジア軍が国境の有刺鉄線を秘密裏に撤去し、新たな敷設した地雷だと示唆した。
カオソッドなどの報道によると、陸軍報道官のウィンタイ・スワリー少将は、地雷の爆発で兵士4人が負傷したと報告。そのうち1人は右足を切断する重傷。
ウィンタイ少将は、現場は東北部の国境地帯を管轄する第2軍が巡回するルートで、タイ軍が10月17日から同エリアを制圧し、地雷撤去と有刺鉄線の設置を実施したと説明。11月9日に有刺鉄線が切断されているのを発見したため、同10日にパトロール隊と爆発物処理班が調査に向かい、地雷を踏んだという。
爆発後に軍と警察が調査したところ、爆発による穴(直径55センチ、深さ18センチ)を確認。近くにPMN-2対人地雷3個が1メートル間隔で敷設されているのを発見した。 タイ軍は、巡回部隊を狙ってカンボジア軍が地雷を敷設したと結論づけた。
ウィンタイ少尉は、国境の緊張緩和に向けたカンボジアの誠意が欠けていると指摘。タイに対する明らかな敵意で、クアラルンプールで調印した和平宣言に反していると批判した。カンボジアの違反行為は、これまでの合意内容や今後の交渉に影響するとしている。
一方、カンボジア外務省は10日、カンボジア軍がタイ国境地域に新たな地雷を敷設したという報道を否定する声明を発表。タイ軍の兵士が踏んだ地雷は、カンボジア内戦中に敷設されたものだと主張した。