タイ商務省国際貿易局(DFT)の1日付発表によると、2023年のタイ産コメ輸出は、前年比13.6%増の876万トン。目標の800万トンを上回り、5年ぶり最高記録となった。輸出総額は同28.4%増の1781億3600万バーツ(51億4400万ドル)。
プラチャーチャート・トゥラキットによると、インドのコメ輸出控えや、世界市場の旺盛な需要が要因。
DFTとタイ・コメ輸出業協会は、2024年のコメ輸出量の目標を約750万トンに設定。DFTのデータによると、1月1日から30日の輸出量は、前年同期比44%増の112万2358トンだった。
DFTのロナロン局長は、今年のコメ生産量はエルニーニョ現象の影響により、前年比5.9%減少すると述べた。世界各国では収穫量が増え、供給量が増加する一方、中国や日本、マレーシアなどの貿易相手国のコメ消費量が低下していると指摘。その結果、競争価格が激化する可能性があると述べた。またタイの生産コストは依然として高く、タイ産米の価格は中国やベトナム、インド産米に比べて高くなっているという。
インドネシアは在庫量が多く残っているため、コメの購入量を昨年より削減する可能性もある。コメを増産している中国は、輸入国から輸出国へ転換しつつあり、インドもコメ輸出規制を中止する可能性もあるため、タイ産米輸出のリスク要因となっている。
ロナロン局長は、タイ産米の生産コストが高いため、価格が他国に比べて高いことを課題に挙げ、対策が急務だと述べた。