三菱重工業は5日、タイ電力公社(EGAT)と、タイ国内の発電設備の燃料の一部に水素を利用する水素混焼技術の導入へ向け、調査・検討を進めることで基本合意した。4日に東京で開催された「第6回日タイエネルギー政策対話」で覚書に調印した。
同社によると、タイ国内のEGAT火力発電所におけるクリーン燃料化を目指し、同社製ガスタービンを対象に、水素混焼20%を目標とした、混焼技術の予備調査に取り組む。EGATは、タイでの水素輸送・貯蔵・流通を含めた包括的な計画を策定。
両社は2025年3月(2024年度末)までに、初期の実効性調査(FS:Feasibility Study)を実施する。その後、その結果に基づく発展的な詳細FSにつなげる計画。
覚書締結を受け、三菱重工の常務執行役員エナジードメイン長の土師 俊幸氏は、「50年以上にわたって信頼関係を築き上げてきたEGATとともに、三菱重工グループが開発する革新的な技術であるガスタービン水素混焼の導入検討を取り進められることを非常に喜ばしく思う。両社が誇る知見を結集させ、タイにおけるエナジートランジションに向けて貢献できると確信している」と述べた。
EGATの燃料部門副総裁のナリン・パオワニッチ(Narin Phoawanich)氏は、「今回の覚書締結は、タイにおける代替燃料やクリーン燃料と日本の技術を統合し、より環境に優しい電力を生産する先駆的な取り組みの一つだ。このパートナーシップは、クリーンエネルギー技術の進歩を促進し、タイの電力生産部門におけるビジネスチャンスを拡大し、環境の持続可能性に貢献することが期待されている。タイのエネルギー転換における重要なマイルストーンになる」と述べた。