三菱重工は1日、石油コンビナートへの脱炭素技術の導入を目指し、アジア太平洋地域を統括するMitsubishi Heavy Industries Asia Pacific(MHI-AP)とタイ化学大手PTTグローバル・ケミカル(GC)が、共同検討の覚書(MOU)を締結したと発表した。
MHI-APが持つCO2回収などの脱炭素技術を、GCが保有する石油化学コンビナートへ適用するため、共同で2つの検討を実施する。1つ目は、ガスタービン発電設備のCO2排出量削減のため、水素・アンモニアの活用と、CCS導入を比較検討する。2つ目は、水蒸気メタン改質(SMR:Steam Methane Reforming)プロセスへのCCS技術の適用最適化を検討する。
GCの基礎・中間化学製品ビジネス部門のトサポン・ブンヤピパットCOOは、水素・アンモニアを天然ガスの代わりに発電燃料として活用し、温室効果ガス排出量を削減したいと述べた。
MHI-APの大野修社長は、「水素・アンモニアなどの低炭素燃料やCCS技術は、既存のエネルギーインフラからのCO2排出量を削減できる大きな可能性を秘めている。経済的に実現可能なカーボンニュートラル石油化学コンビナートの実装に向け、三菱重工グループの技術の活用をGCとともに検討できることを光栄に思う」と述べた。