バンコクのコンドミニアム市場が急減速し、今年第2四半期の譲渡件数は過去6年で最低を記録。新規分譲事業はわずか2件(総戸数405戸)と15年ぶり低水準となった。
クルンテープ・トゥラキットの報道によると、不動産仲介大手ナイトフランク(タイランド)の住宅コンサルティング責任者のフランク・カーン氏は、今年3月に発生したミャンマーを震源とする地震が、コンドミニアム購入者の信頼感に深刻な影響を与えたと指摘。一部の消費者は建物の安全性に疑問を抱き、譲渡戸数は1万2183戸まで減少。2019年以来の最低水準となった。
第2四半期の新規分譲事業は、バンコク北部郊外に位置する2件(総戸数405戸)のみ。2022年同時期の1万5164戸に比べ、急激に減少した。
分譲コンドミニアムの予約件数は105戸。過去5年間で2番目に低い水準だった。家計債務の増加や生活費の上昇、厳しい融資条件などを背景に、消費者が購入を躊躇していることがうかがえる。
市場全体の販売価格は横ばい。バンコク中心部の経済・商業エリア「CBD」では、1平方メートル当たり平均23万9475バーツだが、スクムウィットエリアでは若干上昇している。サトーン・シーロムは横ばい。バンコク市街地(シティ・フリンジ)では、1平方メートル当たり12万6897バーツまで低下している。
過剰在庫を抱えた不動産開発会社は価格の引き下げに努め、郊外の物件価格は1平方メートル当たり7万2193バーツまで下落している。
今年下半期は、政策金利の方針や政府の不動産刺激策、消費者信頼感などで回復が左右されるとしている。