タイ政府は1日、タイ・カンボジアの軍事衝突が発生した国境地域に駐在外国大使ら150人超を案内し、カンボジアの攻撃を受けて大きな被害を受けた東北部シーサケート県とウボンラーチャターニー県を視察した。日本からは、在タイ日本国大使館から大鷹正人大使と梅谷英二防衛駐在官が参加した。
タイ政府広報局によると、23カ国の駐在大使や軍人、メディア関係者ら150人以上が参加。シーサケート県カンタララック群では、カンボジアのBM21ロケット弾の攻撃を受けて民間人8人が死亡、10人が負傷したPTTガソリンスタンドとセブンイレブンを視察し、タイ治安部隊から説明を受けた。
県内では他に、建物が損傷した学校や病院を視察し、カンタララック地区の仮設避難所を訪問した。
その後、視察団はウボンラーチャターニー県のスンパシッティプラソンキャンプにある第22軍事地区へ移動し、カンボジア軍の攻撃による被害の説明を受けた。
マレーシアのサムスル駐在武官は、「この地域で何が起こったかは明らかだ。民間人や子どもたちに心からお見舞いを申し上げる。紛争の終結を願う」と話し、ASEANが今後も状況を監視し、タイとカンボジア両国の国民の安全と平和を確実なものにしていく保証していくと語った。
ジラユ政府報道官は、「タイは事実を隠ぺいしていない。国際社会が自らの目で状況を評価することを歓迎する」と話し、透明性を持って状況を説明する姿勢を強調した。
視察団には、日本、ブルネイ、ミャンマー、マレーシア、ラオスの大使、米国、中国、シンガポール、インドネシア、ベトナム、フィリピンの代表と、日本、中国、パキスタン、韓国、ロシア、シンガポール、ドイツ、インド、ラオス、カナダ、フランス、米国、フィリピン、ベトナム、イタリア、オランダ、インドネシア、スウェーデン、スイス、ブルネイ、トルコ、イギリスの武官が参加した。
メディア代表団は、18通信社のタイ人ジャーナリスト110人と、国際メディア23社の外国人特派員39人が参加した。