ロイター通信によると、東南アジアでの海賊行為や強盗が、2025年1~6月に83%増加した。タイメディアのネーウナーが11日付で報じた。
アジア諸国の海賊対策政府間ネットワークReCAAPの発表によると、2025年1~6月にアジアで発生した海賊行為は95件で、前年同期比83%増加した。この内80件はマラッカ・シンガポール海峡で発生。前年同期の21件から大幅に増加した。
また、事件の10回中9回は夜間に発生。約90%の事件で船員の負傷者はいなかった。
さらに、特定の国旗を掲げた船舶が標的にされている証拠は無かった。航行速度が遅く、警戒心が弱い船舶で発生する傾向があると説明した。
ReCAAPは、犯人が命を危険に晒しながら低価格の品物を盗んでいると指摘。社会や経済の状況が、犯人を犯罪へ駆り立てていると分析した。
東南アジアのマラッカ・シンガポール海峡で発生した80件の海賊事件のうち、半数は強盗被害が無かった。事件の29%では、船舶のエンジンや予備部品を盗まれていた。両海峡で被害を受けた船舶の半数は貨物船、4分の1はオイルタンカーだった。