中国関連の情報を提供するフェイスブックページ「Know China」は、闇のビザ取引が盛んなタイ北部チェンマイ県では、有名仏教大学が中国人への違法ビザ発給拠点になっているという疑惑を発信した。
公共放送PBSなどの報道によると、同ページは23日、タイの居住権を求める中国人が、タイの大学を通じて取得できる学生ビザを悪用している可能性について言及。フォロワーから、多くの中国人がチェンマイで学生ビザを申請しているという情報を寄せられたという。
同ページは中国語の情報と共に、学生ビザと短期語学研修の申請に関する情報を紹介。チェンライとクウェー川でのビザ延長手続きパッケージの広告もあり、一部は授業に出席せずに延長できると宣伝。最高価格は5万3000バーツだった。
チェンマイのビザ料金はタイ中部より安く、学生ビザ取得の動きは中国系コールセンター詐欺組織の大規模取り締まりの直前にピークを迎えていたとの情報もある。
最も注目を集めているのは、公立仏教大学のマハーチュラロンコーンラージャヴィドゥャラヤ大学。投稿によると、中国の人気SNSで学生ビザの取引が公然と宣伝されていた。
同大学のプラクル・バイディカ・ティッパナコーン・チャヤフィナント氏は、現在在学中の中国人留学生は500人以上で、1年間の短期タイ語コースに登録していると明らかにした。一定の出席基準(授業時間の8割)に達しなかったため、50人以上のビザが取り消しとなり、入国管理局に留学資格の取り消しを通知したという。
同大学のPhra Wisit Thitawisittho 教授は、中国人留学生の入学目的は「全く分からない」とし、留学ビザがあれば入学を認めるしかないと述べた。潜入目的であれば懸念すべきで、違法行為があれば必ず処罰するとした。入国管理警察と協議し、学生ビザで入国後に就職する外国人学生への対処方法も検討する。