在タイ日本国大使館は12日、タイ駐在の日系企業と取引先企業のメールのやり取りに割り込み、取引先になりすまして口座に送金させようとするビジネスメール詐欺が発生したと明らかにした。日系企業側が送金前に詐欺に気が付き、実際の被害は無かった。
同大使館によると、日系企業の仕入れ先で日頃からやり取りしている取引先メーカーの担当者から、メールで振込先銀行の変更通知が届いたことが発端。メールで複数回やり取りし、送付されてきた請求書などの書類はいずれも同メーカーの形式で、社印やサインも同メーカーの正規のものと同じだったという。
日系企業側が銀行に振込先の変更を依頼した際、銀行側から同様の詐欺事件に関する注意喚起があったことから、取引先メーカーの担当者にメール以外の方法で連絡して確認。振込先変更を依頼した事実がないことが判明した。
その後、取引先メーカー担当者のメールアドレスがハッキングされて乗っ取られていたことが分かり、抜き取られた企業間のやり取りを基に偽装メールが送られたとみられている。
同大使館は、メールだけでなく電話などの方法で確認するよう注意を促し、似たようなケースに遭遇した場合は大使館に連絡するよう呼びかけている。