在タイ日本大使館は10日、2023年1月から3月のタイの治安に関する情勢を更新した。タイ深南部では月平均約12件のテロが発生。邦人の犯罪被害は44件で、前四半期(2022年10月~12月)と比べて21件増加した。また邦人4人が麻薬所持などの容疑でタイ警察に逮捕された。
同大使館によると、タイ深南部(ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県、ソンクラー県)では、イスラム武装勢力が関係すると思われる銃器や爆発物を使用したテロが、月平均約12件発生。3県とソンクラー県の一部(ジャナ、テーパー、サバヨーイ各郡)への渡航は、外務省から危険情報「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」が発出されている。ソンクラー県の他の各郡は、「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」の危険情報が発出されている。
邦人の犯罪被害については、現金やクレジットカードを抜き取られる被害が多発しており、「お札を見せてほしい」などの声かけに注意するよう呼びかけた。
邦人による犯罪については、4人が不法滞在や麻薬所持、大麻の無許可販売の容疑でタイ警察に逮捕された。不法滞在の1人は退去強制となった。
また同大使館は、旅券の紛失・盗難に関する相談が1月以降に急増しているとして、バッグを体の前に持つなど保管に努めるよう呼びかけた。昨年12月の相談は12件だったが、今年1月は17件、2月は32件、3月は35件に上っているという。