サマック首相は1日朝放送された定例政見放送の中で、5月31日朝に放送された特別放送の中でバンコク中心部のマカワーン・ランサン橋付近の路上を占拠し集会活動を展開している民主主義市民連合の強制排除を命じたと指摘されている事を全否定した。
前日の放送の中でサマック首相は、「連合が本日中に(集会場所を)移動しない事を想定し、既に警察と"軍"の手配を済ませている。警察と軍の行動に対しては国王の政府たる首相が全責任を負う。」と語り、同日中に強硬手段を講じて連合の強制排除に乗りだす事を強く示唆し、一気に連合と当局との間で緊張が高まった。
首相によれば、路上を占拠するという違法行為により、付近の学生の通学に支障を来しているだけでなく、王族までが移動路の変更を余儀なくされている状況を憂慮して、かかる違法行為を取り締まるために警察に対して、武力によらぬ平穏な手段で集会場所を移動させるよう指示しただけなのだという。
しかし、前日の放送の中では、首相の発言通りの意図を窺わせるような発言が一切なされていないだけでなく、首相の強制排除発言は不穏な動きを計画している第三者の動向を懸念した上での発言で、その懸念が払拭された今となっては強制排除に乗り出す必要は無いとするチャルゥム内務大臣の発言や、同日中に強制排除に乗り出す方針を確認したアサウィン首都圏警察本部長の発言と矛盾する事に関しては一切首相から説明が為されていない。
タイの地元新聞を読む