タイ中央銀行(BOT)は10日、金融政策委員会を開き、5対2で政策金利を年2.50%に据え置くと決定した。金利据え置きは昨年11月29日以降、3会合連続。
BOTは会合後の声明で、2024年のタイ経済は、個人消費と観光業が持続的にプラス要因となり、昨年に比べ高い成長率で拡大すると述べた。公共支出も年末までに加速すると予測している。
また、輸出部門は構造的要因による圧力にさらされていると指摘。インフレ率は、政府の生活費支援策などの影響で低レベルにあるとした。
BOTのピティ総裁補は、「大半の委員会は、現行の政策金利が金融経済の安定性を維持するのに適切なレベルにあると判断した。一方で2人の委員は、経済が下振れする可能性や、債務者の利子負担軽減のため、金利を年0.25%引き下げるべきだと判断した」と説明した。
タイ工業連盟(FTI)のグリエングライ会長は、金融政策委員会の政策金利維持の決定について、想定内だと述べた。金融政策委員会は、米連邦準備理事会(FRB)の動向を様子見しており、FRBは今年上半期に利下げを実施しない見込みのため、タイも同様の方針になると予測した。
一方で民間企業は、中小企業の負担軽減のため、金利引き下げを期待していると指摘した。