タイ全土の衣料品店では、黒い服の売上げが急増している。シリキット王太后陛下の崩御に伴い、追悼期間中は黒や落ち着いた色合いの服装が求められているため、黒のブラウスやドレス、ポロシャツ、Tシャツなどの売上げが急増。一部店舗では品切れになっているという。
MGRオンラインなどの報道によると、バンコクの衣料品卸売市場の中心地、ボーベ-市場では、数百店舗が黒い服を店頭に並べ、カラフルな服を奥に片付けた。市場には、今後数カ月間に着用する黒いトップスやドレスを買い求める会社員らが歩き回る様子が見られた。バンコクで開かれるビジネス会議やセミナーでも、黒の服装が目立っている。
北部チェンマイ県のワロロット市場やトンラムヤイ市場は、黒い服を求める買い物客で賑わった。商店はTシャツやポロシャツ、スカートなど、数百~数千バーツの黒い衣類を販売。特に襟付シャツとポロシャツの売上げが大幅に増加し、在庫切れになった店舗もあるという。生地の売れ行きも好調だ。工場には緊急の追加注文が入っているが、出荷には約2週間掛かる見込み。
黒い衣料品は品薄だが、商店は価格を維持。丸首Tシャツは99~150バーツ、ポロシャツは159~199バーツ、長袖シャツは199~299バーツで販売し、いずれも適正価格としている。
王太后陛下は先月24日に崩御。アヌティン・チャーンウィラクン首相は、政府職員に1年間、喪服を着用するよう要請。その他の国民には、90日間、黒や落ち着いた色合いの服を着るよう求めている。