タイで毎年11月に開催する伝統の水の祭典「ローイクラトン祭り」の消費者支出は、過去10年で最低の約98億バーツの見込みだ。シリキット王太后崩御を受け、祭りへの参加を控える国民が増えたためとみられる。
 マティチョンなどの報道によると、タイ商工会議所大学(UTCC)ビジネス経済予測センターのタナワット会長は、2025年のローイクラトン祭り期間中の消費者行動調査の結果を公表。回答者の過半数(61.6%)が、今年のローイクラトンは昨年より活気が無いと回答。1人当たりの平均支出額は、昨年の2449バーツから2212バーツに減少する見込み。イベント全体の消費額は、前年比6.5%減の96億7700万バーツで、過去10年で最低と予測している。
 調査は10月20日~27日、全国で無作為に選ばれた1300人を対象に実施。「ローイクラトンに行く」は66.2%、「行かない」は33.2%、「分からない」は0.6%だった。
 「ローイクラトンに行く」人の動機は、「功徳を施し、王太后に対する感謝」38.3%、「伝統だから」19%、「祈願のため」17.9%、「政府の景気刺激策(共同支払い制度+)からの支援や福利カードを得るため」、「ストレス解消」9.4%。
 クラトン(灯篭)を流す場所は川と運河が多く、次いで公園、沼、寺院、飲食店が続いた。
 「ローイクラトンに行かない」人の理由は、「喪中だから」47.5%、「節約のため」16.9%、「経済不況だから」15.9%、「借金がある」12.9%、「収入が不安定」6.8%。
 消費行動の計画を立てている人は63.8%、計画がない人は36.2%。支払いは現金が多く、次いでモバイルバンキング、クレジットカード、Eウォレットと続いた。
 期間中に取り組みたい活動は、クラトン流し、外食、イベント参加、買い物、功徳を積むこと、地方観光などだった。
 今年の消費額については、「昨年と同額」49.2%、「昨年より増額」27.9%、「昨年より減額」21.8%。消費が増加した要因は、物価高騰や共同支払い制度+による給付金、福利カードの取得、王室への敬意が挙がった。消費が減少した要因は、シリキット王太后陛下の追悼期間であることや、物価高騰、節約志向が挙がった。