闇バイトに応募し、犯罪組織などに「かけ子」や「受け子」として東南アジアを中心に海外で特殊詐欺に加担させられ、現地警察に拘束される事案が発生している。外務省が2023年8月に発出した「特殊詐欺に関する注意喚起」以降も引き続き発生していることから、同省は16日、再度注意情報を発出した。
同省は注意の中で、闇バイトの実態を報告。闇バイトに応募して一度犯罪に加担してしまうと、「やめたい」と思っても、パスポートを取り上げられて軟禁状態になったり、自分自身や家族の個人情報をもとに脅迫され、抜け出すことができなくなったりするという。組織内で暴行を受ける事例も発生している。
さらに、犯罪組織にとって「闇バイトの応募者は使い捨て要員」のため、現地警察に拘束されても犯罪組織が助けることはない。「知らなかった」、「聞いていた内容とは違っていた」といった事情があったとしても、犯罪行為に対する罪から免れたり考慮されたりすることはなく、現地警察に拘束される可能性があるという。
同省は、短期間で多額の報酬を得られるような仕事は海外でも無いないことを十分認識し、求人に安易に応募して意図せず犯罪の加害者にならないよう、慎重な行動を呼び掛けている。