タイ南部ナラーティワート県の裁判所は28日、タクバイ事件に関する最後の審理を行い、25日午後11時59分までに被告が出廷しなかったため、時効が成立し事件が終結したと発表した。
プラチャーチャート・トゥラキットなどの現地報道によると、裁判所は午前10時、被告の7人全員が期日までに裁判所に出廷しなかったと述べ、20年の時効が成立し、被告人に対して発行された逮捕状は有効ではないとした。
タクバイ事件は2004年10月25日、同県タークバイ郡で発生。政府施設で銃器を盗んだ容疑で拘留中されていた6人の釈放を求め、警察署前で抗議活動をしていたデモ参加者を、治安部隊が強制排除。デモ参加者7人が殺害された。さらに78人が拘束され、パタニ県の軍基地に移送中に全員が窒息死した。
被告の1人は政権与党・タイ貢献党の元国会議員のピサル・ワッタナウォンキリ氏。事件当時、南部を管轄する軍人だった。同氏は下院会期中、病気を理由に10月末までの休暇を取得。10月中旬に同党を離党して出国。日本に滞在しているとの情報もある。