タイ野党の人民党(旧前進党)のナッタポン党首は、10月25日に時効を迎える「タクバイ事件」について、日本とイギリスに逃亡中の容疑者2人のタイ移送を外国政府と交渉するよう政府に求めた。
公共放送PBSなどの報道によると、タクバイ事件は2004年10月25日に深南部ナラーティワート県のタクバイ郡で発生。政府施設で銃器を盗んだ容疑で拘留されていた6人の釈放を求め、警察署前で抗議活動をしていたデモ参加者を、治安部隊が強制的に解散。拘束した78人をトラックで移送中、全員が窒息などで死亡した。
元タイ貢献党のピサル氏は事件当時、軍人として南部を管轄する第4軍管区を指揮。タイ警察は、ピサル氏が事件に関与したとして指名手配。ピサル氏は逮捕状が発行される前にタイを出国。15日付でタイ貢献党を離党した。ピサル氏は日本に滞在中しているという。
ナッタポン党首は、容疑者2人がイギリスと日本に滞在していることが判明し、各機関が全力で追跡していると指摘。タイは日本と犯罪人引渡し条約を締結していないが、時効前の引き渡し実現へペートンターン・シナワット首相が自ら外交交渉するよう求めた。