タイのペートンターン・シナワット首相は24日、20年前に南部ナラーティワート県タクバイで発生したデモ参加者の弾圧事件について謝罪した。タイ深南部では23日から、タクバイ事件時効の影響とみられる連続爆弾テロが発生。軍のパトロール部隊の3人が負傷した。
カオソッドなど現地報道によると、23日午後3時30分頃、同県ラゲ郡では軍のパトロール隊を狙った爆弾事件が発生し、兵士3人が負傷した。
パトロール中の第4515隊兵士10人は、同郡のグーチンルーパ村の村長と面会した帰りに爆発攻撃を受けた。爆発物は地下の配水管に仕掛けられていた。
24日午前0時15分には、パッターニー県パナレ郡の公官庁が並ぶ道路で自動車が爆発。警察署や役所、県庁などの自動車や建物が損傷した。警察によると、犯行に使用された自動車は、23日に約10人の男が地方行政事務所を襲撃して奪ったもの。爆発物を仕掛けて犯行場所へ駐車した後、男らはバイクで逃げ、その後爆発が起こったという。
24日には同県タークバイ郡で警察が電柱に仕掛けられた不審物を発見。警察が爆発物処理ロボットを投入して調べたところ、偽爆弾だと判明した。
タークバイ警察署の司令官は、時効を迎えるタクバイ事件を前に、地域を混乱させることが目的だと指摘。ペートンターン首相は24日、タクバイ事件について「政府を代表して謝罪する」と述べ、再発防止に努めると語った。
タクバイ事件は2004年10月25日にナラーティワート県のタークバイ郡で発生。政府施設で銃器を盗んだ容疑で拘留されていた6人の釈放を求め、警察署前で抗議活動をしていたデモ参加者を、治安部隊が強制排除。拘束した78人をトラックで移送中、全員が窒息などで死亡した。