携帯電話の着信識別アプリ「Whoscall(フーズコール)」の開発元Gogolook社が7日発表したレポートによると、タイで「過去1年に詐欺被害に遭った」と回答したのは28%以上に上った。1人当たりの平均被害額は約3万6000バーツ。
プラチャーチャート・トゥラキットなどの報道によると、レポートはGlobal Anti-Scam Alliance(GASA)とScamAdviserと共同で発表。過去1年で9360人を対象に調査した。
レポートによると、「少なくとも月に1度は詐欺師からの接触がある」と回答したのは89%、「2023年と比較して詐欺師からの接触が増えた」は58%、「最初の接触から数分以内に詐欺被害に遭った」は39%、「詐欺被害で失った金銭を完全に取り戻した」はわずか2%、「騙し取られた金銭を取り戻せないまま」は71%、「詐欺被害で精神的ショックを受けた」は73%だった。
詐欺は電話とテキストメッセージが主な連絡手段だが、ソーシャルメディア(SNS)の悪用も増加。最も悪用されたのはフェイスブックで50%だった。
レポートは、個人情報盗難の増加も懸念されると指摘。詐欺師が警察官などの公務員になりすまし、金銭を要求する事件が22%で、従来のショッピング詐欺の19%を上回っている。請求書詐欺は16%、投資詐欺は14%だった。
人工知能(AI)技術を利用した詐欺は特に憂慮すべき事態で、音声や写真をAI技術で偽装したメッセージを受信した人は66%に上った。