タナチャート・ミリタリー・バンク経済分析センター(TTBアナリティクス)によると、タイの家計債務は2024年末時点で、国内総生産(GDP)比91.4%(16兆9000億バーツ)まで上昇する見込み。ザ・ネイションなど各メディアが報じた。
TTBアナリティクスは25日、景気回復の鈍化は、個人所得の伸びの鈍化が要因だと分析。金融コストの高騰は状況をさらに悪化させ、借り手の借金返済能力に影響を及ぼしていると指摘し、多くの借り手が非正規の金融機関や高利貸しを頼っていると付け加えた。
タイ中央銀行(BOT)のデータによると、2023年第3四半期の家計債務残高は、前年同期比3.4%増の16.2兆バーツ。GDPの90.9%を占めた。
また、同期間の商務銀行の不良債権は、前四半期比3.6%増の1520億バーツに上昇。債務残高のうち、1~3カ月の未払い負債は3620億バーツに達しているという。
TTBアナリティクスは、債務問題の要因について、経済回復の遅れと所得水準の停滞にあると指摘した。タイ経済は特に輸出部門で回復の兆しが見られるが、恩恵は大企業に集中していると述べた。中小企業が中心となっている観光業の回復が鈍く、財務状況は依然として脆弱だという。
家計債務の増加は、短期的には消費を刺激する可能性があるが、GDP比80%は過剰であり、長期的には経済にマイナスの影響を与えると警告した。タイでは2015年以降、家計債務の対GDP比が80%を超過している。