カンボジア国境のタイ東北部スリン県チョンチョム検問所の向かいに、新詐欺街が出現している。詐欺拠点だったカンボジア・ポイペトから、コールセンター詐欺団が移転しているとみられ、複数の大型ビルが建設されているという。
カオソッドの報道によると、国際連合はカンボジアをオンライン詐欺と人身売買の世界的拠点だと発表し、タイのサイバー警察が8日、カンボジアのフン・セン前首相の側近であるコック・アン容疑者の詐欺団の拠点を捜索するなど、カンボジア詐欺拠点への包囲網が狭まっている。
一方、治安当局筋によると、スリン県のチョンチョム検問所の向かいにあるカンボジアのオールドサメット検問所(オッドーミアンチェイ州)付近では、カンボジア政府指導者に近い大手資本グループが所有するカジノの裏手に、複数の大型ビルを建設する動きが見られる。工事の90%以上が完了し、周囲には高い鉄柵と鉄条網が張られ、厳重な警備が敷かれているという。
大型ビル群は、中国資本によるオンライン詐欺拠点であるミャンマー・シュエコッコとポイペトが取り締まりを受けたため、詐欺団の移転先として建設されていると見られている。
チョンチョム検問所は、観光客とカジノ利用客の通行を制限しているが、学生の越境や人道支援目的の通行は許可している。また建築資材を運ぶトラックの目撃情報もあり、カンボジア側では発電所やガソリンスタンドも建設中だという。