タイ商工会議所大学(UTCC)経済ビジネス予測センター(CEBF)は2日、2023年の国内総生産(GDP)成長率を、当初予測の3%から2.5%に下方修正した。中国人観光客の回復や政府の予算編成の遅れが影響したという。プラチャーチャート・トゥラキットが報じた。
同センターのウィシアン副所長は、第3四半期の成長率が予測より大幅に低い1.9%増に留まったことに加え、製造業の在庫水準の減少を要因に挙げた。特に工業部門では、売れ行きへの不安感から生産控えが起こり、在庫からの販売が続いている。
中国人観光客の回復の遅れや、政府の2024年度予算編成の遅れから公共投資が発生しなかったことも影響したと述べた。
2023年のタイ輸出は、前回予測の2%減から0.9%減に上方修正した。インフレ率は1.8%から1.3%に、家計債務残高のGDP比は89.5%から89.8%に、外国人旅行者数は3000万人から2800万人にそれぞれ修正した。
同センターのタナワット所長は、2023年の世界経済は年始から回復傾向だが、タイでは総選挙と政権交代による政治空白の期間があり、経済支援策の予算執行が遅れたと述べた。通年の訪タイ観光客数が、当初の目標を下回ったことも影響したと指摘した。
2024年のタイ国内総生産(GDP)は3.2%増で、第1四半期は観光業が成長すると予測。デジタルウォレット政策の進捗状況や、イスラエルとハマスの戦争、米中対立、世界経済の停滞、自然災害などを注視する必要があるとした。