APEC首脳会議のため米サンフランシスコを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は15日、タイのセター・タウィーシン首相兼財務大臣と初の首脳会談を実施した。両首相は、日タイ関係の更なる発展に向けて連携することで一致した。
会談は現地時間15日午後3時から約30分間行われた。岸田首相は冒頭、セター首相の就任に祝意を伝え、「包括的戦略的パートナーシップ」となった両国関係の更なる発展と、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて協力していきたいと述べた。東京で来月開催される日ASEAN友好協力50周年特別首脳会議では、日・ASEAN関係の将来の方向性と、新たな協力のビジョンを共同で打ち出したいと述べた。
セター首相は、日本とタイは長年に渡り様々なレベルで協力していると述べ、日本との協力を更に発展させるため岸田首相と連携していきたいと話した。
2国間関係について岸田首相は、東南アジアで日本企業の拠点となっているタイでのビジネス環境の改善や、アジア・ゼロエミッション共同体構想(AZEC)と安全保障分野での協力を共同で推進したいと述べた。
セター首相は、日本からの投資を重視しており、エネルギー分野や自動車産業など様々な面で引き続き日本と協力したいと述べた。
また岸田首相は、イスラエル・パレスチナの戦闘で死傷したタイの被害者へお悔やみを述べた。テロ攻撃を断固として非難すると同時に、深刻な懸念を持って情勢を注視していると話した。セター首相は、お悔やみに感謝すると述べ、引き続き関係国と連携していきたいとした。
両首相は、ロシアによるウクライナ侵略や、東シナ海・南シナ海、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮情勢、ミャンマー情勢についても意見交換を行った。