タイ商工会議所大学・経済ビジネス予測センター(UTCC)が11日に発表した4月の消費者信頼感指数(CCI、100以上が好感)は55.0で、過去38カ月で最高となった。前月からは1.2ポイント伸び、上昇は11カ月連続。選挙活動による経済効果が影響した。プラチャーチャート・トゥラキットが11日報じた。
UTCCのタナワット局長によると、高騰する電気代や生活費への不安感から、新型コロナ流行前の水準には戻っていないものの、全国目で改善が続き、良い傾向だとした。
また14日に投開票されたタイ下院総選挙の選挙活動による経済効果は、約500~600憶バーツ。投開票の直前には、約200~300憶バーツの資金流入があったと分析した。
項目別では、全体経済49.4、就職機会は52、将来収入は63.6で、前月に比べ全項目が上昇した。全国で活発化した選挙活動や、ソンクラーン(タイの旧正月)時期の外国人旅行者の増加、農産品価格の改善による農業従事者の収入の増加、石油価格の下落、バーツ高による外貨流入がプラス要因となった。
一方で、生活費や電気代の高騰、高水準にある石油価格などがマイナス要因となった。欧米の金融機関の問題も消費者にネガティブな影響を与えた。
またタイ商務省は、2023年のGDP成長率を3.8%から3.6%に引き下げた。輸出の減少やロシアのウクライナ侵略の長期化、大気汚染問題が影響した。UTCCは今年の成長率を3.0~3.5%と予測している。