民主主義市民連合幹部のヂャムローン・シームゥアン少将は17日、早急な憲法の改正と王室に対する冒涜が、クーデターを再発させる主要な要因に為り得るとの考えを示した。
これは、同日開かれた16周年目を迎える1972年5月16日流血事件を祈念する為の式典に出席した際に語られたもので、嘗て前面に立ってクーデター政権と戦い、その後成立したた第一次チュワン政権時代にタクシン前首相を政界に導き入れた事でも知られるヂャムローン少将は、王室を冒涜すると共に憲法の改正を急いでいる政府側が、クーデター発生を誘発する火種を作り続けている限りは、再クーデターは起こりえないとの発言を素直に受け入れるべきではないと指摘した上で、政府側は2009年度予算編成の為の国会期間中を利用して憲法改正を目指す前に、まず、依然解決されていない国民が抱える問題の解決に注力するべきであると指摘した。
同少将によると、連合側には、憲法改正審議案に署名した下院議員の罷免を要求する署名運動を開始すると共に、憲法改正に反対する為の抗議活動を展開する用意があるという。
また、国王による認証事項である野党首班という立場で式典に参加した、民主党のアピシット党首は、流血事件の際に命を落とした多くの民主活動家の血と自ら解決に乗り出された国王の配慮の上に立って歩み始めたタイの民主主義を阻害する、権力側による権力の乱用や不当な法律運用を阻止する事が、民主主義発展の重要な鍵となるとの考えを示すと共に、憲法改正問題に関しては、全ての階層の参加を得て、急がず、充分に検討を重ねた上で行う事が重要であるとの考えを示した。
一方、政府側代表として式典に出席したナタウット政府副報道官(元反独裁民主主義同盟幹部)は、独裁制を脱した今こそ、国王の思し召しに則り、全ての階層が一丸になって和解推進、一致団結体制の創成に邁進し、国内正常化を早期に実現させる事が重要であると訴えた。
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