南部国境三県域内に展開している軍、警察及び関係当局は30日、分離主義組織の統轄組織とされるブゥーサートゥーの創立記念日にしてマレーシアの建国記念日でもある31日を中心にした破壊活動が計画されているおそれがあるとして警戒態勢の強化に乗り出した。 またこれに絡んで、軍・警察の混成チームは29日早朝、ヤッラー県ベートン郡内のアパートやホテルを中心に集中摘発を行い、麻薬類を所持していた容疑で19歳から20歳の3人の男の身柄を拘束した。この集中摘発は、他県からやってきた若者グループが郡内のアパートやホテルを潜伏先として31日を中心とした破壊活動の実行に備えている恐れがあるとの通報に基づき行われたもので、29日時点で30人以上の他県から来た19歳から25歳までの若者が滞在している事が確認された。尚、集中摘発作業は30日に入っても継続的に行われている。 一方、ヤッラー県県都内サテンノーク地区内で30日朝、22歳と10歳の娘を乗せ小型トラックで路上を走行中だった52歳のイスラム系住民男性が、バイクに乗った2人組に銃撃され死亡し、22歳の娘が重傷を負った。10歳の娘は難を逃れた。男性はパッターニー県ヤッラン郡内にある学校の用務員で、地元では宗教等に関係なく誰とでも分け隔て無くつきあう善人として知られていたという。また、県都内ユポー地区内では、小型トラックを運転中だった55歳のイスラム系住民男性が、バイクに乗った2人組に銃撃され死亡した。 また、県都内では、昨年末にユポー地区内で発生した校長及び教師が銃殺された上で遺体に火を放たれた事件に関与した容疑で26歳(報道により28歳)の男が新たに逮捕されている。男は取り調べに対して容疑を否認しているという。 一方、パッターニー県マーヨー郡内では29日夜半、茶店内で友人等と飲食中だった53歳のイスラム系住民男性が、店内に押し入った人数不明の一味に銃撃され死亡した。
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