第一実業(東京都千代田区)は、グループ会社のダイイチ・ジツギョウ・タイランドが、廃タイヤ由来熱分解油の蒸留油を製造するタイの事業会社ESGケミカルズ(サラブリー県)に出資し、事業を開始したと発表した。
同社によると、ESGケミカルズは、タイで廃タイヤ由来の熱分解油を製造するPYRO ENERGIEが設立。出資は石油・食品廃油の精製業者VERASUWANと共同で実施した。
同事業では、廃タイヤを熱分解して得られる熱分解油を蒸留するプラントを建設。特定の成分を抽出・分離し、新タイヤを製造する燃料や原料を製造する。年間製造能力は600万リットル。環境負荷の低いサステナブルなタイヤ原料の生産を実現するという。
従来、廃タイヤの熱分解油は、不純物の含有や低純度のため、直接燃焼などの限定的な用途に限られていた。同社は「事業を通じて、各社の強みを最大限に活用し、廃タイヤの回収からリサイクル原料の生産・販売までを一貫して行う、環境価値と付加価値の高いソリューションを提供する」としている。