キユーピー(東京都渋谷区)は9日、グループ会社のキユーピータイランドとキユーピーインドネシアの工場内に生産ラインを新設・稼働し、2025年1月から本格生産を開始すると発表した。タイとインドネシアでの生産能力の増強により、アジア太平洋のマヨネーズとドレッシングの需要増加に対応する。
同社によると、タイ工場は中部ラーチャブリー県に位置。マヨネーズ類の年間生産量を約3万6000トン(既存棟:1万8000トン、新棟:1万8000トン)に増産する。新棟には東南アジア初となる高速充填ラインを導入。生産スピードが従来の約2倍になる。
キユーピータイランドでは、オセアニア地域を中心に輸出事業が好調。2023年度のマヨネーズ類の輸出実績(売上金額)は、2019年度比で3倍以上に急成長した。輸出需要に加え、今後も伸長が見込まれるタイ国内の需要にも対応する。
新棟の屋上に太陽光パネルを設置。工場全体の再生可能エネルギーの割合を約25%(2022年度実績)から約35%(2025年度予定)に引き上げる。
またタイとインドネシアの両拠点で、東南アジアで同社グループ初の一般見学スペースを設置した。見学開始時期は未定。顧客との新たな接触の場を設け、食育活動を通して新たなキユーピーブランドのファンづくりを目指すという。
キユーピーは1987年、現地企業と合弁でタイに東南アジア初の現地法人を設立した。2009年度からはキユーピータイランドを連結対象とし、調味料、カット野菜、卵加工品などの商品を製造・販売している。