帝人フロンティア(大阪市北区)は2日、タイでポリエステル繊維の製造・販売を展開するグループ会社テイジン・ポリエステルのタイ法人(TPL)が、ウールの代替素材であるコンジュゲート長繊維の需要増に対応するため、生産設備を増設し、2024年9月から本格生産を開始すると発表した。
同社によると、新設備の増強により、2025年度の生産量は700トンになる見込み。新設備で生産したコンジュゲート長繊維は、原糸やテキスタイル、それらを使用した製品として国内外に販売。将来的には、新開発のコンジュゲート長繊維の生産にも活用する。
近年、世界的な人口増加などを背景に、ウール市場は需要が増加する一方で生産コストが上昇。ウールの代替素材のニーズが高まっていた。
コンジュゲート長繊維の素材「トリクシオン」を生産するTPLは、需要の増加に対し、最大限度に近い設備稼働や人員の重点配置、生産ロスの削減策などで対応していたが、今後も需要の増加が予想されることから、設備を増設した。