タイのピチャイ・チュンハバジラ副首相兼財務大臣は16日、タイ中央銀行(BOT)のセタプット・スティワルトナルエプト総裁と非公式に会談した。2時間にわたる会談の中で、ピチャイ財務相は、政策金利を決定するBOTの独立性を政府は認めていると繰り返し述べ、BOTに対し、個人や中小銀行向け融資の利用を改善するよう求めたという。
プラチャーチャート・トゥラキットの報道によると、ピチャイ財務相は会談後、「政策金利の決定について、政府と財務省は介入しない。BOTと金融政策委員会自由判断に任せる」と述べた。金融政策を巡っては、BOTは3会合連続で政策金利を2.5%に維持。利下げを求める政府と方針が対立していた。
同氏は、「政策金利はタイ国外から注目されている。この問題について財務省は触れない。会談により、両者はお互いの立場をより理解できた。私たちは同じ言語を話しており、何の問題もない」と語った。
ピチャイ氏によると、BOTは現在のインフレ目標である1~3%を見直す予定。
また同氏は、現在の問題は政策金利の引き下げではなく、融資の利用にあると指摘。融資を利用できるのは大企業のみで、中小企業や個人、借金を抱えた人、新規申請者などは利用できない状態が続いているため、BOTに対し、利用条件の緩和を求めた。
同氏は、BOT総裁と経済再編についても協議。両者は今後、頻繁に会談するだろうと述べた。