海外に拠点を持つ企業の経営管理を支援する株式会社マルチブック(東京都品川区、代表取締役CEO 渡部 学)は29日、タイ子会社のマルチブック インターナショナル タイランド(Multibook International (Thailand) Co., Ltd.)と、みつき税理士法人 みつきコンサルティング株式会社(東京都新宿区、代表者神門 剛)のタイ現地法人MiTSUKiタイ(MiTSUKi Accounting (Thailand) Co., Ltd.)が協業し、タイ進出企業向けにクラウドERPサービス「multibook(マルチブック)」を活用した会計業務支援を開始したと発表した。タイに拠点を置く日系企業の会計・経理業務の自走化を目指す。
マルチブックは日本語・タイ語を含む12言語に対応。現地スタッフは母国語での操作が可能で、日本本社の経理スタッフとそれぞれの母国語を用いながら同じデータを確認できる。さらにクラウドサービスのため、現地スタッフが入力した数字をリアルタイムで日本から閲覧できる。
タイにおける日系企業の拠点社数は5,856社(2021年時点)にのぼる一方、現地での経理人材の不足が課題。タイの拠点で月次決算が2~3カ月遅れるケースもあり、経営判断の遅延や不正会計のリスクが高まることも懸念されている。
マルチブックを導入している企業でも同様の課題があることから、MiTSUKiタイと共同して経理業務の改善・記帳代行を行い、会計業務を自走化させる取り組みを開始。今回の協業でサービスとシステム両面から支援を強化し、より多くの企業の会計部門の自走化を目指す考えだ。
MiTSUKiタイの清水健司代表は「日本からタイに来ているのは営業や生産現場の人材が多く、経理業務を指導できないケースが多々ある。マルチブックと協業して現地スタッフを育成し、自社経理のひとり立ちができる体制が築けるように支援したい」、マルチブック インターナショナル タイランドの薜杏平(まさききょうへい)ジェネラルマネージャーは「海外拠点とグループ本社が経営データを共有することが必須となっている。MiTSUKiタイと協力してシステムを提供し、人材育成をすることで、タイに進出するすべての海外拠点とその本社を支援していきたい」と話している。