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　宇部興産は１６日、タイ中部ラヨーン県にある子会社ウベ・ファイン・ケミカルズ・アジアの工場でポリウレタン原料のＰＣＤ（ポリカーボネートジオール）製造設備の増強に着手したと発表した。２０２０年７月に稼働予定としており、この増強で生産能力は倍増し年産８０００トン規模となる。

　ＰＣＤは同社のファインケミカル事業の主力製品の一つで、主に高級ポリウレタンの主原料（ポリオール成分）として使用されており、自動車、家具、建材などのコーティングや人工皮革、接着剤などに採用されている。

　近年は、特に中国を中心としたアジア圏での消費者の高級・高機能志向の高まりや、法的環境規制強化による水性塗料への切り替えが増えており、今後も需要増が見込まれるため、需要地に近いタイ工場の生産能力増強を決めた。