タイ警察は2日、「タイで数日間働くと高額の給与を支払う」と謳うSNS広告にだまされてタイへ渡航し、ミャンマーでの詐欺拠点で働かされていたという日本人男性2人を保護した。2人は、日本の高齢者をターゲットにした詐欺行為を強要されていたと証言している。
マティチョンの報道によると、タイ国家警察副長官のタッチャイ大将は、日本人男性2人を人身売買の被害者として保護したと明らかにした。2人はタイでの就労を装った求人広告にだまされ、詐欺拠点で強制労働させられていたという。
日本当局は、今年7月から運用を開始した特殊詐欺対策のための国際情報共有システム(SHIELD)を通じてタイ警察に支援を要請。今回の保護につながった。
タイ警察によると、日本人男性2人はSNSで「タイで数日間働くだけで高額報酬を得られる」との求人広告に応募。採用担当者とメッセージアプリを通じて連絡を取り、航空券と宿泊の費用を全額負担すると申し出があったという。
2人はその後、渡航のキャンセルを伝えたが、殺害すると脅迫を受け、家族や周囲にも黙っているよう言われたため、観光客としてタイへ入国。到着後、宿泊施設から西部の国境まで連行され、当局の検査を避けるために複数の車両を乗り換えてミャンマー側へ密入国。武装した男の集団が警備している詐欺施設に到着したという。
2人は、政府の職員や警察官、検察官などを装い、日本の高齢者に1日数百件の電話を掛けることを強要された。携帯電話を没収され、他国へ移送すると脅されたという。報酬は受け取っていない。
帰国を希望する場合は身代金が必要だと言われ、これを口実に日本の家族や政府機関に連絡。タイ警察の支援につながった。
2人の証言によると、詐欺拠点の施設には2000~3000人の労働者が滞在。多くが中国人で、欧米人やその他の外国人もいる可能性があると話した。詐欺集団のターゲットは、米国、中国、日本などだという。
タイ警察は外国人に対し、異常に高額の給与を提示する求人広告に注意するよう警告。特に採用担当者が渡航費と宿泊費を負担すると申し出ながら、観光客やビザ免除対象者としてタイへ入国するよう指示する場合は要注意だとしている。緊急支援が必要な場合は、24時間対応の観光警察ホットライン1155番に連絡するよう呼びかけている。