タイ中部チョンブリー県パタヤの自宅から19歳の男性が失踪したとして、カーンチャブリー県知事は2日、男性の捜索を指示した。同県のミャンマー国境検問所の防犯カメラに男性が映っており、コールセンター詐欺団に騙されて国境を越えた可能性があるという。
マティチョンなどの報道によると、チョンブリー県に住むタイ系ロシア人の母親は、息子のローレンスさんが自宅から失踪したとパタヤ市警察署に通報。ローレンスさんは9月26日から行方不明になっており、母親がローレンスさんのEメールを確認すると、カ-ンチャナブリー県サンカラブリー郡にいることが分かったという。
県知事の捜索指示を受け、サンカラブリー警察や入国管理局などは共同で情報収集。各地の防犯カメラを確認したところ、同郡ノンルー地区にあるリゾートホテルの正面玄関から、9月27日午後3時32分に外出するローレンスさんを確認。ローレンスさんは、長ズボンにスニーカー、長袖シャツを着用し、左手には大きなカバンを持っていた。
リゾートに問い合わせたところ、ローレンスさんは携帯電話の充電のために来店し、充電が終わると立ち去ったという。
入国管理警察の報告によると、ローレンスさんは同日、電話をしながらミャンマーのパヤトンズーに入国しようとした。当局は、入国を許可できないと説明したが、ローレンスさんがフェンスを乗り越えて国境を越えようとしたため、職員がローレンスさんをバスターミナルまで送り届けた。その後、職員はローレンスさんを目撃していない。
母親によると、ローレンスさんは物静かで、高度なコンピューター技術を持つため、ミャンマーに拠点を置くコールセンター詐欺団で働くよう誘い込まれたのではないかと恐れているという。
ミャンマー国内の国境地帯の治安情勢は非常に不安定で、外務省は陸路でのミャンマー入国は危険だと注意喚起している。