タイ深南部ソンクラー県ハートヤイ郡では、週末に豪雨に見舞われたコーホン山からの流出水が市街地へ流れ込み、24日朝に深刻な洪水に発展した。ラタサート・チドチュ知事は24日、前例の無い措置として、ハートヤイ地区の全住民に緊急避難命令を出した。
カオソッドなどの報道によると、県は16地区を災害地域に指定。ラタサート県知事は、最も被害の大きい地域の避難を重点的に実施し、人命保護を最優先にすると強調した。
ソンクラー市当局によると、24日に複数地域で水位が3メートルに達した。同県知事はソンクラー郡の住民に対し、同日午後4時までに緊急避難するよう指示。水位の上昇は続いており、2000年の大洪水被害を上回る可能性がある。
同県では19日から大雨が続き、特にウタパオ川流域やハートヤイ、ラッタプーム、チャナ、ナモム、サダオ各地区の広範囲で洪水が発生。20日から23日にかけて、16地区で洪水の被害報告がある。県のデータによると、24万3568世帯、63万5000人が被災。1224人が避難。1人が死亡した。
また、サバーヨーイ病院のスパット院長は、「21日夜時点でR1排水路の水位は低く、洪水の心配は無いと思っていたが、コーホン山付近で想定以上の豪雨が降った。一晩で300ミリメートルを超える雨量で、ハートヤイ市街へ流れ込んだ」とフェイスブックに投稿。当局の洪水防止システムに弱点があると指摘した。