タイ工業連盟(FTI)の発表によると、2025年2月の産業景況感指数(TISI、100以上で好感)は前月比1.8ポイント増の93.4で、約2年ぶりの高水準となった。政策金利の引き下げにより、企業の金融コストが減少。消費や投資の促進に繋がった。
マティチョンの報道によると、FTIのアピシット副会長は12日、政府が債務者支援措置を4月30日まで延長したことや、個人所得税控除キャンペーン「イージーEレシート」政策、1万バーツ支給の第2段階の開始などがプラス要因となったと説明。
観光業も成長が続き、1月1日から2月26日までの累計外国人旅行者数は、前年同期比10.3%増の600万人超。観光促進イベントや治安への信頼回復対策も順調に進んでいるという。2025年1月の国境貿易総額も1450億バーツ超で、前年同月比2.7%拡大した。
一方、2月は中国の安価な電気自動車の競争力が高まり、タイの自動車輸出は減少傾向となった。1月の自動車輸出は前年同期比24.6%減で、過去33カ月で最低。自動車部品や鉄鋼、アルミなど関連産業に影響が出ている。
さらに天候不順により農産品の収穫量が低下。パームオイルやパラゴムなどのサプライチェーンや生産コストに影響が出ている。ロシアとウクライナの戦争長期化や、米国の輸入関税引き上げ、中国製品の流入もマイナス要因となっている。
3カ月後指数は、前月の96.2から97.6に上昇。ソンクラーン祭りの経済効果や、1万バーツ支給の第3段階開始がプラスに働く見込み。