タイのプームタム・ウェーチャヤチャイ国防相は、タイに約11年間拘留されていたウイグル人男性40人を、27日に国外追放したと明らかにした。同氏は、中国政府からウイグル人の保護について確約を得ていると述べている。
マティチョンなどの報道によると、同氏は、入国管理官が男性らに中国送還について説明し、全員と合意に達したと述べた。男性らは中国当局から十分な保護を受け、仕事も提供されるだろうと述べ、タイ政府も男性らの生活状況を継続的に監視すると語った。
タイ警察は先月、ウイグル人男性らを中国へ送還しないと発表していた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は深い遺憾の意を表明。アジア人権労働擁護団のフィル・ロバートソン代表は、タイ政府に対し、国連人権理事会の理事国(任期:2025年から2027年末)を辞するべきだと述べた。
中国国営の新華社通信は27日、「犯罪組織に騙されてタイに不法入国していた中国人40人」が、本国に送還されたと報じている。
また在タイ日本大使館は、ウイグル人強制送還に関連する不測の事態に注意するよう呼び掛けている。バンコクでは2015年、ウイグル人を中国に送還した後の8月17日にパトゥムワン区エラワン祠近くのラチャプラソン交差点で爆弾テロが発生。20人が死亡、日本人を含む125人が負傷した。