ミャンマー西部ミャワディを拠点とするコールセンター詐欺組織から救出された中国人約200人が20日、タイから中国へ送還された。タイ当局は、送還した中国人らは詐欺に関与した疑いがあるため、今後、タイへの入国は許可しないという。
現地報道によると、救出された中国人容疑者らは、ミャワディと国境を接するタイ北部ターク県メーソート郡に移送され、その後チャーター便4便に50人ずつ分乗して中国に帰国した。
当局は数日中に800人以上の中国人容疑者を中国に送還する予定。
タイ政府は今月5日、詐欺拠点となっているミャワディへの電力やインターネット供給を遮断。ミャンマー当局は部隊を派遣して詐欺容疑者らを逮捕し、詐欺を強要されていた中国人を救出した。
タイのペートンターン・シナワット首相は19日、救出されたタイ人は300人以上で、約7000人がタイへの移送を待っていると明らかにした。
ミャワディの詐欺拠点を巡っては、日本人の高校生2人が救出されたばかり。外務省は21日、日本国内から闇バイトに応募して、海外で特殊詐欺を強要される事案が発生していると注意喚起を発表した。
犯罪組織は応募者に対して犯罪に関わる闇バイトだと伝えず、インターネット上で「外国に遊びにおいで」「リゾートで息抜きしよう」などの甘言を用いて海外に渡航させ、その後に拘束・誘拐する事案も発生。犯罪組織内で暴行を受けるケースや、現地警察から犯罪行為に対する罰則を科せられる可能性も高いため、安易にこうした求人などに応募しないよう呼び掛けている。